はじめに

ホームページは情報を発信する発信者と、その情報を得るユーザーを繋ぐものです。
基本的にホームページ制作を行うのは、私のようなホームページ制作業者だったりするのですが、その依頼を行う発信者、つまりクライアント側の皆様もその知識を持っていただくことは、より良いホームページを公開するために必要なのではないかと考えます。つまり、制作側とクライアント側が両方、より高いホームページに関する知識を持つことで、クライアント側が制作側のいいなりにならず、的確な意見を制作側に伝えることで、より良いものになるのではないかということです。

今回、ホームページ(Webサイト)のごくごく基本的なことからレイアウトや発色のルールなど、複数回のシリーズ掲載を行い、幅広い情報を提供したいと思います。

ホームページ(Webサイト)とは

Webサイトはwww(World Wide Web ワールド・ワイド・ウェブ)上にある、複数のWebページの集合体です。そのサイトのトップページとコンテンツを構成する下層ページはそれぞれ「(ハイパー)リンク」によってページ間を移動できるようになっており、サイトはそれら一連の情報の集まりのことです。

ホームページを制作する目的とユーザーの目的

ホームページを制作し、ネット上に公開するのはそれぞれに目的があります。制作して公開することが目的ではありません。会社のサービスを紹介したいといった目的や商品を販売したい目的など、発信者側の目的があって初めてホームページは制作されます。

同時に、そのサイトを閲覧するユーザー側にも目的があります。欲しい知識や情報を得るために自然検索(organic search)を行ったり、リンクなどを通じて特定のサイトを訪問したりです。

必要な情報を求めるユーザーに対して正しい情報をわかりやすく提供することがホームページの役割であり、そのことを具現化するために必要なことがデザイン・レイアウトの本質であります。製作者側や発信者側が自分の好みのデザインをユーザーに押し付けても、本来必要な、「ユーザーに正しくわかりやすく情報を提供する」という目的は達成されません。
発信したい側と情報を得たいユーザー側の目的のバランスをきちんと取りながらホームページを構成することが大切です。

制作する基本となるのはHTML

ホームページは一般的に「HTML(Hyper Text Markup Language ハイパー・テキスト・マークアップ・ランゲージ)というテキストファイルで制作されます。

HTMLは見出しや段落などの文書構造を構築するためのもので、誰でも、どのような環境であっても同じく情報を共有できるよう形作られたものです。

適切な文書構造にすることによって、環境の相違があっても内容がきちんと全てのユーザーに伝わるようにしておく必要があります。

ホームページはどのように表示されるか

実際にホームページがブラウザに表示されるまでに行われるプロセスはどのようなものなのでしょうか?簡単にご紹介します。

DNS(ドメイン・ネーム・システム)

ホームページにユーザーが直接アクセスする時、そのホームページの「住所」が必要です。その住所は「ドメイン」をアドレスバーに入力することで表示されます。そのドメインは「IPアドレス」と呼ばれる識別番号をセットとなっています。ネットワーク接続はIPアドレスを利用して接続を行なっています。これをDNSと呼ばれる仕組みで、ドメイン名やホスト名、IPアドレスの情報を管理するデータベースのことです。ドメインをベースにDNSに登録されたIPアドレスを見つけて返してもらい、実際の表示につながっているのです。

HTTPリクエストとHTTPレスポンス

Webサイトをブラウザで実際に表示するためには、HTMLのファイルやそれに掲載されている画像ファイル、javascriptなどのプログラムなどを、そのデータが保管されているサーバからダウンロードする必要があります。そのデータをダウンロードさせてくださいと伝えることを「HTTPリクエスト」といい、それに応えることを「HTTPレスポンス」といいます。

このリクエストとレスポンスを繰り返して初めてブラウザに表示されます。

このやりとりが多すぎたり、データのサイズが大きすぎたりすると、そのページを表示するまでに時間がかかるようになります。時間がかかりすぎたりするとユーザーはうんざりしてしまい、ページが表示される前に別ページに移動したりして、本来の目的を達成できないことになります。しかも最近はスマートフォンでのサイトアクセス率が非常に高いので、ページ表示のスピードには非常に気を使う必要があります。見え方ということと同時に表示までの仕組みも考慮する必要があります。